デジカメ市場がいよいよ無くなる
デジタルカメラ、いわゆるコンパクトデジカメ(以下コンデジと略す)の市場が本格的に減少している。コンデジを中心にビジネス展開をしているキタムラが「カメラのキタムラ」、「スタジオマリオ」事業で129店舗の閉鎖を決定した。QV-10で大衆化をもたらしたデジタル写真市場が最後に残ったシニア世代のフィルム市場を駆逐し始めた。
キタムラではデジタルカメラを中心に写真プリント、メモリーカード、ビデオカメラ、レンズ、アルバム作成などを手掛けている。
そのビジネスはフィルムカメラ時代と余り変化が感じられない。ただフィルムからデジタルに変化してカメラ利用者の習慣は確実に変化してきた。
フィルムカメラからデジタルカメラになり変化した習慣が写真プリントをしなくなったことだ。コンデジやデジイチ(デジタル一眼レフ)からPCに取り込んだデジタル画像はディスプレイ上で見られる事はあってもプリントされた写真を見る機会はフィルムカメラ時代に比べて激減したといえるだろう。それでも従来からの写真プリント習慣を頑なに守っていたシニア世代が写真店でのセルフプリント機を操作してプリントすることがプリント店事業を支える柱の一つとなっていた。
ただ現在の60歳代は1970年代の第一次マイコンブームの時に20代だった”元若者”である。50歳代はPC / FM / MZ世代、40歳代はPC-98世代とデジタルヘビー世代が続く。これ以降の世代ではデジタル写真をプリントする習慣はまずないだろう。
とするとデジタル写真を事業コアとしていた企業が辛くなるのは必然。
ニコンもデジカメで業績悪化
デジタルカメラ事業が辛いのはキタムラだけではない。フィルム時代から世界のプロカメラマンに支持され続けているニコンもまたデジタルカメラ事業で業績が悪化している。


