これが新しい放送、、、なのか?

2016年3月1日から地上波デジタルマルチメディア放送 i-dio の試験放送が始まりました。放送を聞く方法は現状2つしかありません。i-dio対応のスマホを買うか i-dio対応のWi-Fiチューナー を無料モニターになって入手するかのどちらかです。もちろんAndrid6.0へのアップデートが限りなく絶望的なスマホを38000円も出して買う人はそうそういないでしょう。私も当然チューナー対応Wi-Fiを入手して早速試験放送を試し聞きしてみました。

 

まず地上波マルチメディア放送って何じゃいな?これはアナログTVが使っていたVHF帯の一部を活用するV-Low(VHF帯のLow=低い周波数帯部分)と呼ばれる放送です。だから何?って感じですが。

i-dioのサービス紹介ページ には

既存のテレビでもラジオでもない全く新しい”第3の放送”です

と記載がありますが今のところは電波を使ったラジオ以外の何物でもありません。ただ、PCやスマホでお馴染みのAACでエンコされた音声が流れてくる事からもわかるように、コンテンツのフォーマットはPCやスマホの世界そのものです。つまり音声や画像データを電波を使って一斉送信する放送を地上デジタルマルチメディア放送と呼んでいるのでしょう。

放送はまだ試験放送なので本気出してないだけと思いやりの気持ちで接することにしますが、Wi-Fiチューナーとスマホアプリについては思いっきりダメ出しをしたいと思います。

まずダメその1。聴取中はスマホの電池が激減りします。みるみるうちにバッテリー残量が減ります。アプリの出来が稀に見るボロさです。

ダメその2。Wi-Fiチューナーの仕様がカス。Wi-Fiチューナーを使ってi-dioをスマホで聞くためにスマホをWi-FiアクセスポイントとなるWi-Fiチューナーに繋がないといけません。Wi-Fiチューナーとな言っても他のWi-Fiアクセスポイントに繋がる中継器の機能があるわけでもなく、i-dio聴取中はスマホはW-Fi接続ができずモバイル通信網を使う事になります。なんでBluetooth接続にしなかったんだろう。Androidスマホではもっとビックリる接続方法を採用していますし。このアーキテクチャを考えた人は絶対に変態だわぁ。まぁスマホのモバイル通信を意識的に切断してもi-dioは使えたのでデータ通信量を気にする必要はないと思います。でももっと気になることがありました。

それがダメその3のコンテンツダウンロード速度が激遅。所詮百数十MHz帯の電波を使ったデータ放送なんです。どう圧縮しているのかは知りませんが送れるデータ量はたかが知れてます。チャネルを切り替える度にコンテンツダウンロード中で待ち時間数十秒が発生して興冷めになりました。

試験放送開始が3/1の昼12:00で、iOS版アプリの公開は試験放送に間に合わなかったそうですが、そこはご愛敬。ついでに言うとiOSアプリの開発者もGigno System Japan Incとなっており無料恋愛系ゲームやお笑い系芸人を題材にしたアプリを多数作っていらっしゃる方達がリリースしているようです。

まずは2016年春から関東、近畿、九州の一部から放送エリアを開始して順次全国に拡大していく腹づもりのようですが2019年の全国展開を達成するよりも前に高市早苗氏の力を使わずとも自然と放送波停止となることのないようにお祈りをしたいと思います。モバホとかMOTTVとかあったよねーという仲間には一緒に入りたくない思っておられると思いますが仲間に入る可能性は今のところ非常に高い、可能性は十分と太鼓判を押しておきましょう。

結論。ここまでしてラジオを聞く奴はそうはいない(断言)。ラジコやTunedInで十分。やっぱ電波ではなくIPとオンデマンドが次世代メディアの主戦場だなぁ。

投稿者: yama

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